あと二品!奇跡の軌跡。
高火力で炒められる中華料理のような、日々でした。
いつか豪ちゃんが
「中華料理の食材で、フランス料理を作っちゃいかん」と演出担当の僕を諭してくれたことがありました。
豪ちゃんはすぐ
「あんまり上手く言えなかったか😑」と言ったけれど、その言葉は僕の深く、腑に落ちました。
それまで僕は自分の培ってきた経験の引き出しの中から一人でグルグル考えて、みんなの鍋を焦がしまっていました。
「みんなしっかり考えているから、そこから良いものをチョイスしたら良い」
これも座長が提示してくれた指針。俳優陣みんなが芝居を作って、僕は全体の流れや仕組みのバランスを調整することに集中しました。
ーーーーここに落とし穴ーーーー
この作品の登場人物。
雄太郎も、信也も、紗奈も、大事なことを言葉にしない。出来ないのではなくて、しないと決めている。息子の雄一は、ちゃんと言葉にして相手に届けられるんですよね。
彼等の「語られない言葉たち」に寄り添う内に、僕自身も言葉少なくなっていたのです。
俳優のとき
「役」という大きな服に自分の身体を合わせていく作業のなかで、感性に少し影響があるときがあります。
ーーーーここが落とし穴⬇️ーーーー
でも演出担当は、言葉少なくてはならんです。
「みんなを導くのは、梶さんの言葉なんだと思います」
場当たり終えた夜、各幕ごとについて祈るように言葉を綴りました。
ーーーー⬆️ここが落とし穴ーーーー
そして、初日、二日目と芝居が跳ね上がる中での、上演中止。もうダメかと思っていました。もう愛しき登場人物に会えないのか。この作品をお客様に戻れられないのか。そこからの奇跡の復活。
この公演での全ての拍手、記憶に焼き付くものになっています。
店の常連たちは、色んな事件のなかで言いたい事を言い、ときには見守り。この店に来るのが楽しみで。
リンリーとリュウは、その全てを生きながら、ずっと「この店」の物語を背負って明るく生きている。
僕にとってこの物語は、この作品作りそのものでした。
本日1/29の 18時00分
そして
千秋楽1/30 の 14時00分
最後の2公演。
次は、休演日の分も含めて、えりかさん、たくみくん、ごうちゃん。3人にバトンを渡したいと思います!